Google Cloud Next ’18 in Tokyo 参加レポート(2/2日目)
こんにちは。
クラウドソリューショングループのwatanabe.tです。
本日も昨日に引き続き、Google Cloud Next ’18 in Tokyoに参加してきましたので、感想その他もろもろを書いていきます。
Googleのクラウドへの取り組みや、活用事例・今後の展望を知りたい方の助けになることを祈って。
基調講演
Day2の基調講演では、Day1とは打って変わって、技術よりのお話がメインでした。
Cloud Armorを始めとするGoogleのセキュリティへの取り組みや、それらを利用したインジェクションへの対応のデモンストレーションなど、経営者目線でも開発者目線でも興味深いものでした。
また、クラウド化を進めていく中でのコンテナ化技術に関するGoogle Kubernetes EngineやKnativeなど、Googleの取り組みや今後のビジョンが見えてくるものだったと感じています。
デモンストレーションも複数行われていたので、興味がある方は以下の動画を確認してみてください。
Cloud Functionsで始めよう、サーバーレスアプリケーション開発
さて、ここからはブレイクアウトセッションについてお話していきましょう。
まずは、Google Cloudのデベロッパーアドボケイトから、デモンストレーションを交えたサーバーレスのお話です。
サービスをマイクロサービス化させていく中で、どのようにアプリケーション間を連携させるか、というのは大きな問題です。
それに対して、Cloud Functionsのような、イベントドリブンなサービスを用いることで、容易に解決することが可能なようです。
Cloud Functionsには以下のような特徴があります。
- イベントドリブンな実行
- 自動スケーリング
- リクエストのパラメータを自動的にパースし利用可能
- 他のGoogleAPIへ認証情報を持っているため、APIキーを内部で持つ必要が無い
以上の特徴から、Cloud Functionsはサーバーレスアーキテクチャを実現する上で、それぞれのサービスの接着剤のような働きをする、ということでした。
また、Cloud FunctionsはGA後もまだまだ開発中のサービスであり、SLAのコミットメントがされたり、新しい言語としてGoのサポートを見据えていることなども触れられていました。
さらに興味深かったのは、Cloud Functionsのスケジューラーがアルファ版として開発中であるということでした。
今までは定期的に実行しようと思うと、GAEのcronに頼らざるを得なかったため、このアナウンスは非常に嬉しいものですね。
GCEのベストプラクティス〜”これ知らなかった”と言わせます〜
このセッションでは、GCPのIaaSプラットフォームであるGoogle Compute Engineのベストプラクティスについて、Google Cloudのテクニカルスペシャリストの方からお話がありました。
今までのVMのノウハウから、通常のVMと同様に使われがちなGCEですが、ここにもGoogleのノウハウが詰まっていたようです。
例えば、カスタムマシンタイプを利用することで、過不足のないマシンスペックを選択することができ、使用料金の最適化を図ることができるだけでなく、リソースの監視などを用いてGCP側から適切なマシンタイプがサジェストされるなど、利用者に沿った機能が用意されています。
この他にも様々なTipsが紹介されていたので、その一部をご紹介します。
1. Docker on GCE(Beta)
これは、DockerをGCEのVM上で簡単に起動することができるという機能です。
VMを動かし続けたまま、コンテナのみをデプロイすることができるというのが利点のようです。
ただし、利用できるOSがContainer Optimizedのみになってしまうようです。
2. Live migrationのシミュレーション(Beta)
GCEの特徴の一つに、機器の入れ替えなどによるマイグレーションが発生する際、GCEの利用者にダウンタイムが発生しないようにするLive migrationというものがあります。
通常はGCP側の都合で行われているため、利用者がそれに関知することはできませんが、CLIから明示的に実行してみることが可能なようです。
ただし、明示的に実施した場合は裏でVMが複数立ち上がっているため、その台数分の料金が加算される点には注意が必要です。
3. ディスクの定期バックアップ(Alpha)
GCEのディスクのスナップショットを定期的に作成することができる機能が開発中のようです。
これを利用することで突発的なインスタンストラブルなどに対処することができ、リスクを低減することができます。
ただし、未だ開発中の機能のため、ベータが利用できるようになるまではもう少しかかるようです。
以上のように、GCEではこれからも継続的にアップデートが予定されているようです。
他のマイクロサービスにばかり目が行きがちですが、改めてGCEを見直す機会にしてみてはいかがでしょうか。
最後に
2日間に渡り開催されたGoogle Cloud Next ’18 in Tokyo、実際に機能を開発している方から情報を得たりすることができたため、非常に有意義だったと感じています。
2日目の夜には Next ’18 in Tokyo Nightも開催されます。
普段は交流できない、Googleのエンジニアに直接意見を聞いてみるのも面白いかもしれませんね。