【アジャイル】KPT分析でふりかえりを効率的に
問題、解決策を効率的に発見するための”ふりかえり”について、私がアジャイル開発で実践していたふりかえり方法を紹介します。
この記事は アイソルートAdventCalendar2019 15日目の記事です。
こんにちは。
クラウドソリューショングループのsato.kです。
はじめに
みなさんはアジャイル開発をご存じでしょうか?
アジャイル開発とは、要件定義→設計→開発→実装→テスト→運用 といったような開発工程を短い期間の中で実施し、それを繰り返すことで動くものを素早く開発していくソフトウェア開発手法の一つです。
短い期間で開発を行い、それをなんども繰り返すという性質上、開発の中で出てくる課題や問題、今後問題となりえる要素をいち早く見つけて対処していく必要があります。
問題を放置してしまうと逆に開発のスピードを落としてしまう結果になりかねません。
そのため期間の節目節目でふりかえりを行い、取り組みの評価と発生した問題に対する効果的な改善方法を自分たちで考え実践していくことがとても重要になります。
今回はアジャイル開発におけるふりかえりでよく用いられる「KPT分析」のやり方を紹介していこうと思います。
KPT分析とは
KPTはKeep/Problem/Tryの略で、ふりかえりのメソッドの一つです。
やり方は非常にシンプルで、プロジェクトの中での取り組みや進め方に対して「Keep=よかったこと」「Problem=悪かったこと」「Try=次に試すこと」についてそれぞれ考えていきます。
一見簡単に見えますが、ポイントを押さえて実践することで課題の整理や解決策を検討するうえでとても強力な手法になります。
ふりかえりの細かい進め方はいくつかありますが、実際に私が参画したアジャイル開発チームで実践していたやり方を紹介していきます。
KPT分析の進め方
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よかったこと/悪かったこと(Keep/Problem)を書き出す
まずは、振り返るトピックを上げるために、プロジェクトの中で実施した取り組みや進め方についてよかったことと悪かったことをそれぞれ上げていきます。
些細なことでもあまり悩まずに直感的にたくさん出していくのがポイントです。 -
分析する
1. で出たものは個人の主観的な意見が多いため、より客観的に分析していくために、それぞれ以下の観点を踏まえて考えていきます。
ここでのポイントは、より広い視点を持って考えるということです。よかったこととして挙げられていても、実は課題点があるなんてこともよくあります。
また、個人の悪かったことでもチーム全体の課題となり得ることもあります。
1. で挙がったことは、あくまで主観的な意見であったということを忘れないようにしましょう。- なぜよかった(悪かった)のか
- 根本的な原因
- 個人の問題の原因が全体(チーム)側にないか
- 良かったことの中に課題、悪かったことの中に成果はないか
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次に試すこと(Try)をきめる
2. で出たものをふまえて次にやることを決めていきます。
ここで気を付けるべきポイントは、「〇〇を気を付ける」といったように具体的に何をするかがわからないものがないようにすることです。
「〇〇を実施する」というようなTryになるよう意識することで、後で評価を行う際にTryを実践できたかどうかの判断がしやすくなります。 -
Tryを評価する
ふりかえりを通して決まったTryについては次回のふりかえりの時に評価を行います。
ここでのポイントは、出来たかどうかだけでなく実践したことによる効果に対して評価を行うことです。
実践はできたがあまり効果がなかった場合には、Tryのアプローチがよくなかったや実践することで新しい問題が上がったなどの分析につなげます。
また、実践できなかった場合には、なぜ実践できなかったか、実践するためにはどうしたら良いか、そもそも実践するべきことだったのかなどの分析ができると良いです。何も考えずに「次は実践する」というようなTryにならないようにしましょう。評価は主に以下のような観点で実施します。
- Tryを実践できていたか
- Tryの効果はあったか
→ Keep/Problemの分析と同様に行う - これからも続けていくか
最後に
KPT分析のやり方について、簡単に説明しました。
KPTに沿ってふりかえりを行うことで、現状どのような課題があり、その課題に対してどのようにアプローチしていくかが整理できると思います。
また、KPT分析の準備として日頃からよかったこと、悪かったことを意識的に見つける習慣をつけることで、今まで見えていなかったチームのいいところや悪いところを発見できるようになっていきます。
普段の業務やプライベートでも、ふとした時にふりかえりをする機会は多いですが、なかなか課題を整理できない時やいい解決策が浮かばない時はぜひKPT分析の手法を参考にしていただければと思います。
明日は、katsu.r さんのGDG DevFest Tokyo 2019参加レポートです。