クラウドとは? ~IT初心者向け~
「クラウドってなに?」と尋ねられたら、どのように答えますか?
聞いたことがない人はいないほど、よく耳にするようになった「クラウド」ですが、人に説明してと言われたら、なかなか難しく感じるのではないでしょうか。
そんなあいまいな理解から、クラウドってつまりこういうこと!を説明できるようにこの記事では「クラウドとは何か?」について紹介していきます。
目次
はじめに
こんにちは。クラウドソリューショングループの入社1年目kugishimakです。
本記事は、入社してから本格的にクラウドの学習を進めていく中で、私なりに理解した解釈が内容となっています。
皆さんのクラウドに対する理解の手助けになれば幸いです。
クラウドとは?
「クラウド」を一言でいうと、インターネットを通じて、サーバーやストレージといったハードウェア、OSやアプリケーションといったソフトウェアを、いつでも、どこでも、必要な分だけ利用できる環境のことです。
よく知られているクラウドを使った身近なサービスとして、以下のものがあります。
- Microsoft社のMicrosoft365
- Google社のGoogleDrive、Gmail
- Apple社のiCloud、iTunes などなど…
このようなクラウドを利用して提供されるサービスのことを「クラウドサービス」といいます。
使ったことがある方はお気づきかもしれませんが、これらのサービスはいずれも、自身の端末にインストールする必要はなく、ソフトウェアの更新を行う必要もありません。インターネットにさえ繋がっていれば、Webからいつでもアクセスができます。
クラウドが登場する以前は、ソフトウェアを利用するために、自身の端末にインストールするのが当たり前でした。また、ソフトウェア上で使用できるデータは、自身の端末に保存されたものしか扱えませんでした。
それが、クラウドの登場により、インターネット上に置かれたソフトウェアであればインストールの必要なく、いつでも使用できるようになり、自身の端末の容量に左右されることなく、クラウド上に用意されたストレージ内で保存・利用が行えるようになったのです。
クラウドによって手元になくても利用できるようになったのは、ソフトウェアやストレージだけではありません。
サーバーやネットワーク、データベースといったITリソースも、インターネットを通じて利用することができるサービスの仕組みがあります。これが「クラウドコンピューティング」と呼ばれるものです。
クラウドコンピューティングのことを、単にクラウドと呼ぶ場合もあります。
「クラウドコンピューティングサービス」の例として代表的なものは以下があります。
- AWS(Amazon Web Services)
- Microsoft Azure
- Google Cloud
このようなクラウドコンピューティングサービスを提供している企業は、クラウドサービスプロバイダーと呼ばれ、それぞれが、データセンターと呼ばれるITリソースを管理する施設をもっています。
クラウドコンピューティングサービスの利用者は、それらのデータセンターに設置された物理的なITリソースに、インターネットを通じてアクセスすることで、クラウドのサービスを利用しているのです。「あれ?物理的なリソースにアクセスして使ってるってことは、自分専用のリソースがあるってこと?」
もちろん、自分専用にクラウドのITリソースを購入することもできますが、基本的には、1つの物理的なリソースを色んな人が利用しています。
ここで重要となるのが、仮想化とよばれる技術です。
仮想化技術について
クラウドは仮想化技術によって実現されています。
仮想化とは、
サーバーやストレージ、CPU、ネットワークといった物理的なハードウェアを、ソフトウェアによって仮想的に再現する技術です。例えばサーバーを仮想化すると、1台の物理的なサーバーで、複数の仮想的なサーバーを作成し、同時に動かすことができるようになります。
サービスを提供する際には、1台のサーバーに対して1つの仕事をさせるのが基本です。
つまり、Webサーバー、DBサーバー、メールサーバーなど、仕事の種類が増えるごとにサーバーを用意し、1台のサーバーでこなすことができない仕事量には、同じ仕事ができるサーバーを増やして対応する必要があります。そのため、仮想化技術が普及する以前は、用途の数だけ物理的なサーバーを用意する必要がありました。
サーバーの仕事によって仕事量は異なるため、用意しているサーバーを効率よく使い切ることはほとんどありません。また、仕事量が一番多いときに合わせてサーバーを用意するため、仕事が少ないときには、稼働しなくていいサーバーがでてきます。しかし、いつでも使えるように管理はしなければなりません。非常にもったいないですね…
その問題が、仮想化技術によって解消できます。
1台の物理的なサーバーがもっているリソースを、複数の仮想的なサーバーに自由に配分できるため、従来よりも効率よくサーバーを活用することが出来ます。
もちろん仮想化されたサーバーは、もととなっている物理的なサーバーのスペックを超えることはできません。もとの容量が100GBであれば、仮想化によって使用できる容量も100GBまでです。
このような仮想化技術によって、クラウドは実現されています。1つの物理的なリソースを複数人で利用できるのはこのためです。
「知らない人と共同のコンピューターを使うのは、セキュリティ的に怖くない…?」
同じ物理マシン内に、自分の仮想コンピューターと知らない人の仮想コンピューターを作成されている場合、知らない人のコンピューターから自分のコンピューターにアクセスができるのか、といった話であれば、それはできないようにされています。
クラウドプロバイダー側が物理マシンを構築する段階から、仮想コンピューター間でのアクセスはできないようにされているためです。
また、物理マシンから自分の仮想コンピューターにアクセスされる危険性については、物理マシン自体にアクセスできる人を制限することでセキュリティを守っています。
そのため、物理マシンのセキュリティの責任はクラウドプロバイダー側にあります。
クラウドのメリット・デメリット
▼クラウドを使用することで得られるメリットには、以下があります。
コストを抑えられる
クラウドの利用によって、サービスを開始するために必要な、ITリソースの購入やシステムを構築するための初期費用を抑えることができます。加えて、従来であれば、リソースを管理するために専門的なスキルを持った人を配置する必要がありましたが、クラウドを利用する場合、リソースの管理は必要ないため、その分の人件費・管理費・運用費を抑えることができます。
更に、多くのクラウドサービスでは、使った分だけ支払う従量課金制が導入されており、必要以上に支払いが発生することもありません。
時間と場所を問わない
クラウドサービスは、自身の端末とインターネットに接続できる環境さえあれば、いつでもどこでも利用することができます。在宅勤務やリモートワークをするうえで、社内の情報を自身の端末に保存せず、インターネットを通してアクセスできるため、情報漏洩のリスクを減らすこともできます。
利用開始までが速い
クラウドサービスでは、数回の操作で新しいリソースをすぐに用意することができます。従来のように、リソースを購入して、設置して、構築して…といった工程を行う必要はありません。また、リソースの追加や削除にも柔軟に対応できるため、仕事量の最大量を考慮して、リソースを常に用意しておく必要もありません。
▼クラウドには以下のようなデメリットもあります。
カスタマイズを完全に自由には行えない
クラウドサービスを利用する場合、サービスの提供側が用意している環境の範囲で、リソースを構築する必要があります。そのため、自身でリソースを購入し、構築する場合と比較すると、カスタマイズ性は劣ります。
インターネットに繋がっていないと利用できない
クラウドは、そもそもインターネット環境がなければ利用できません。また、ネットワーク回線への負荷が大きいときや障害が発生したときは、満足にサービスを利用できない場合があります。
おわりに
本記事では「クラウドとはなにか?」について、概要やメリット、デメリットを踏まえて説明させていただきました。皆さんのクラウドへの理解に少しでも貢献できたなら幸いです。それではまた👋