生成AI導入・活用事例5選【2024年12月 最新版】
本記事では、生成AIを企業がどのように活用しているのか、具体的な事例を交えながら、その可能性について詳しく解説します。
本記事のターゲット
- 生成AIを活用した業務改善や効率化に興味がある方
- 新しいビジネスモデルやイノベーションを追求している経営者やリーダー
- 最新のテクノロジー動向を把握し、競争力を高めたいと考えている方
これを通じて、生成AIが持つ潜在的な力と、実際のビジネスシーンでの応用方法を理解する一助となれば幸いです。
目次
- はじめに
- 活用事例
- セブン&アイ:販促メールの制作効率化
- 千代田区立九段中等教育学校:校内GPTの導入
- 旭化成株式会社:製造現場の技術伝承における活用
- JR 東海:リニア実験線での運営効率化
- 住友ゴム工業株式会社:内製開発の生産性向上
- おわりに
はじめに
こんにちは。クラウドソリューショングループのwatanabe.tです。
この記事は アイソルートAdvent Calendar 2024 の9日目の記事です。
2022年末に登場したChatGPT。それを契機に生成AIの大きな波が生まれ、Microsoftを始めGoogle, Amazon, Metaなど様々はハイテク企業がその波に乗ってきました。
さらにはそれらの生成AIを自社サービスや業務にも活用する企業が多く出現し、AIによる生成技術は単なる自動化を超え、創造性を支援し、業務の効率化から革新的なビジネスモデルの構築まで、さまざまな場面で活用されるようになりました。
例えば、チャットボットを活用した顧客対応の効率化や、文章や画像を自動生成するコンテンツマーケティングの最適化は、多くの企業にとって競争力を高めるツールとなっています。
また、データの膨大な情報量を解析し、わかりやすいレポートを生成することで、意思決定のスピードを向上させる活用例も増えてきています。
本記事を読むことで、生成AIを自社のビジネスにどう活用していくか、その一助になりましたら幸いです。
活用事例
では早速各社の活用事例を見ていきましょう。
セブン&アイ:販促メールの制作効率化
セブン&アイ・ホールディングスでは、「生成AIファースト」を掲げ、全社員での積極的な生成AI活用を推進しているとのこと。
特に注目を集めたのはマーケティング分野での活用。
同社ではこれまで、「販促メール」を委託先に外注していたため、制作フェーズに1ヶ月かかっていたが、ここに生成AIを活用。
生成AIとRPAを組み合わせて内製化に成功し、効率化と自動化により制作期間を1週間に短縮し、年間約1万時間の労働時間削減につながる見込みとのことです。
セブン&アイが「生成AIファースト」宣言!意欲的な活用戦略と最新事例を語る!
千代田区立九段中等教育学校:校内GPTの導入
千代田区立九段中等教育学校では、「リーディングDXスクール事業」の一環として、校内専用の生成AIシステムを導入しています。
このシステムはテキスト生成AIとしてChatGPTを採用し、校内データが外部に共有され学習されることのないように構築されているとのこと。
また、同校では生成AI導入の懸念やリスクに対応するため、「生成AIガイドライン」に関連付けたパイロット的な取り組みとして、
高校1年生と全教員だけで、限定された機能を活用してみるところから開始し、令和6年度には全生徒・全教員が活用できるように活用範囲を広げてきたようです。
生成AIを活用した授業デザイン | 千代田区立九段中等教育学校
旭化成株式会社:製造現場の技術伝承における活用
旭化成株式会社は、製造現場における技術伝承の課題に対し、生成AIを活用した新たな取り組みを行っています。
製造現場では、事故や災害を防ぐため、作業前にリスクを洗い出し対策を講じる「危険予知」活動が行われています。
しかし、熟練社員の高齢化や退職に伴い、これらのノウハウの継承が課題となっていたとのこと。
従来、リスク予知は個人の経験に依存していましたが、旭化成は過去の事例データを学習させた生成AIを導入しています。
これにより、経験の浅い従業員でもリスクと対応策を網羅的に洗い出すことが可能となり、安全性と効率性の向上、そして技術伝承の加速が期待されています。
今後は、作業前の危険予知に加え、工場内の各種センサーから取得した画像や音声などの非構造化データを解析し、作業中の危険回避にも生成AIを活用する予定とのことです。
生成AIを新規用途探索の自動化や製造現場の技術伝承において活用開始 | 旭化成
JR 東海:リニア実験線での運営効率化
JR東海は、次世代高速鉄道サービスであるリニア中央新幹線の運営効率化に向け、AWSの生成AI技術を活用した取り組みを行っています。
リニア中央新幹線は、超電導リニア技術を用い、東京・名古屋間を最速40分で結ぶ次世代の高速鉄道です。
JR東海は、山梨リニア実験線において、AWSのIoTサービスや機械学習ツールを活用し、送電設備の状態監視や予知保全を実施するようになったとのこと。
具体的には、Amazon SageMakerを利用して送電設備の異常を検知する機械学習モデルを構築し、Amazon QuickSightで可視化することで、故障の予兆を早期に捉え、保守作業の効率化を図っているようです。
さらに、今後は生成AIサービスであるAmazon Bedrockを活用し、設備情報や保守作業記録の検索など、多様な業務への適用が検討されています。
これにより、保全業務の効率化・省人化を進め、データドリブンな運営体制の構築を進めていくようですね。
JR 東海、AI による効率的な次世代高速鉄道サービス運営に向けて 山梨リニア実験線で AWS の活用を開始 | AWSブログ
住友ゴム工業株式会社:内製開発の生産性向上
同社は、製品開発においてタイヤの摩耗や空気抵抗、製造プロセスなど多岐にわたるシミュレーションを実施しており、Fortran、Perl、Java など複数の言語でカスタムツールを内製してきました。
しかし、これらの開発環境の構築には多大な時間と労力が必要であり、効率化が求められていたとのこと。
そこで、生成 AI 技術「Gemini Code Assist」を活用することで、コードの自動生成や補完、提案、変換が可能となり、プログラミングの生産性が大幅に向上したようです。
例えば、CSV データを読み込んで描画するプログラムを Python で自動生成し、エラー修正のみで完成させることができるようになったとのこと。
さらに、MATLAB で作成されたプログラムを Python に変換することにも成功し、複数のプログラミング言語の習得にかかる時間を短縮しています。
これらの取り組みにより、住友ゴム工業は開発環境の構築やアプリの配布・メンテナンスのスピードを飛躍的に向上させ、内製開発の生産性を大幅に改善したようです。
住友ゴム工業様:Gemini を活用したクラウドベースの内製開発で、アプリ開発の生産性を大幅に改善 | Google Cloud ブログ
おわりに
今回の記事では、複数の企業の最新の生成AI活用事情を見てきました。
ヒトコトに生産性向上といっても、様々なアプローチが模索されているようですね。
アイソルートでは引き続き、最新の市場動向や具体的な活用アイディアを発信しつつ、
各社様のご要望に合わせ、活用方法のご提案やアセスメントからシステム開発まで、幅広くご対応していきます。
以下のようなお悩みをお持ちのご担当者様は、この機会にぜひお問い合わせください。
- 興味はあるが、何もわからず誰かに聞きたい
- 自社に合った活用方法を知りたい
- 自社のサービスの価値を高める活用を知りたい
- どのように活用を進めていけば良いか分からない